In Memoriam: Anabel Stenzel

アナベルさんを悼む
 
嚢胞性線維症(Cystic Fibrosis : 通称CF)や臓器移植の理解を広めるために活動され、また、日本のCF患者の治療環境を向上させるためにご尽力されたアナベル・ステンツェルさんが、2013年9月22日、ご逝去されました。享年41歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
 
アナベルさんは、日本のCF治療が遅れているため、欧米では当たり前とされている治療やサポートを受けられずに、CFの子供たちが若くして亡くなっている現状を嘆き、様々な形で働きかけをして下さいました。私どもが膵嚢胞線維症の治療環境を実現する会(CFの会)と取り組んでいた国会請願活動に合わせ、アメリカでも薬剤認可を求める署名活動を開始、たくさんのアメリカ国民にご協力をいただきました。また、製薬会社には薬剤提供を直談判し、Cystic Fibrosis Worldwide (CFW) 、Cystic Fibrosis Research, Inc. (CFRI)など関係機関には記事を投稿、全世界に日本のCF事情を訴え続けてきました。双子姉妹のイサベルさんと来日の際は、厚生労働省担当官や国会議員とも面談、また一方、アメリカ大使館を訪問、CFの薬剤を認可するよう日本政府に働きかけるよう要請も行って下さいました。イサベル、アナベル姉妹の精力的な支援活動のおかげで、認可を求めていた薬剤「リパクレオン」、「プルモザイム」、「トービイ」が次々に認可の運びとなりました。お二人の多大なるご支援に心から感謝申し上げます。
<アナベルさんの投稿記事>
 
2010年5月、仙台でのCF支援コンサートのため再来日された時には、全国からCF家族が集まり、イサベル、アナベル姉妹を取り囲み、にぎやかに交流を楽しみました。姉妹は、弾けんばかりの笑顔で、私たちに勇気と希望を届けてくれました。患者数が極めて少なく、孤独の中で病気と闘っていた家族が、心から癒され元気をもらった1日でした。
 
アナベルさん、私たちはあなたの笑顔にどれだけ励まされたことでしょう。そして、いつも全力で支援して下さってありがとう。あなたに出会えて幸せでした。私たちはあなたのことを決して忘れません。アナベルさん、どうか安らかにお眠りください。
 
 
嚢胞性線維症患者と家族の会一同